
国立西洋美術館「梶コレクション」エマーユ(七宝)寄贈!
国立西洋美術館より、2025年の展覧会スケジュールと、新たな寄贈コレクションについてお知らせします。
1959年の開館以来、西洋美術の多様な魅力を紹介してきた当館では、2025年も国内外の優れた作品を展示する企画を多数開催いたします。
本年は、新たに貴重なエマーユ(七宝)コレクションが寄贈されることとなりました。
梶コレクション「エマーユ」寄贈について

ジュエリーアーティストの梶光夫氏より、約150点に及ぶエマーユ(七宝)作品が当館に寄贈されました。
エマーユとは、金属の素地にガラス釉を焼き付けた工芸品を指し、19世紀後半から20世紀初頭のフランスで制作されたものが中心です。
このコレクションは、日本国内では類を見ない規模と質を誇り、当館では2012年の橋本コレクション(指輪を中心とする工芸品)以来のまとまった工芸品収蔵となります。
梶氏がエマーユと出会ったのは1980年頃、パリの骨董店で目にした小箱がきっかけでした。以来、数十年にわたり収集を続け、多数の作品を所蔵してきました。
「この輝き続ける美を、多くの人に知ってもらいたい」という梶氏の思いにより、選りすぐりの作品が寄贈されることとなりました。
当館では、この貴重なコレクションを広く公開し、西洋工芸の魅力を伝える新たな取り組みを進めてまいります。
2025年度 小企画展のご案内
■ 梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美
開催期間:2025年3月11日~6月15日
エマーユを中心に、小箱やジュエリー、大型の額装作品などを展示。
また、アール・ヌーヴォーの工芸品やアルフォンス・ミュシャのポスターも交え、華やかな西洋装飾美術の世界をご紹介します。
■ ピカソの人物画
開催期間:2025年6月28日~10月5日
20世紀を代表する画家パブロ・ピカソが生涯描き続けた「人物画」に焦点を当て、寄託作品を中心にその表現の変遷をたどります。
■ 物語る黒線たち――デューラー「三大書物」の木版画
開催期間:2025年10月25日~2026年2月15日
「黒線のアペレス」と称されたアルブレヒト・デューラーが1511年に出版した木版画集『大受難伝』『黙示録』『聖母伝』を、国内唯一の全点所蔵館として初公開。
デューラー芸術の核心に迫ります。
■ フルーニング美術館・国立西洋美術館所蔵 フランドル聖人伝板絵―100年越しの再会
開催期間:2025年10月25日~2026年5月10日
20世紀初頭、日本とベルギーに分かたれたフランドル聖人伝板絵の2点を100年ぶりに並べて展示。
美術史的アプローチと最新の研究成果を交えて紹介します。
2025年度 企画展のご案内
■ 西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館
開催期間:2025年3月11日~6月8日
西洋絵画の見方に着目し、サンディエゴ美術館との共同企画で展開。
■ スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで
開催期間:2025年7月1日~9月28日
スウェーデン国立美術館所蔵の素描コレクションより、ルネサンスからバロック期の名品を紹介。
■ オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語
開催期間:2025年10月25日~2026年2月15日
オルセー美術館が所蔵する印象派の名作を通じて、19世紀の室内空間を描いた表現の変遷をたどります。